1状態1入力システム:最適制御入力 (1次遅れ系の状態フィードバック制御)

Posted on 1/11/2015
1状態1入力システムに対して定常偏差を補償できるよう
状態フィードバック + 積分制御する系を考えます[1]

\[\frac{d}{dt}\binom{z}{x}=\begin{bmatrix}
0 & 1\\
0 & -a
\end{bmatrix}\binom{z}{x}+\binom{0}{K}u\]

この系に対して最適制御入力を求める
(※ この時プラントは $ \tau = 1/a $, ゲイン $ 1/a $ の1次遅れ系)

\[J = \int_{0}^{\infty}\left \{ (z, x)\begin{bmatrix}
1 & 0\\
0 & q
\end{bmatrix} \binom{z}{x}+ru^2\right \}dt\]

この方程式を満たす対称正定行列 Pはリカッチ方程式
\[A^T P+PA+Q-PBR^{-1}B^TP=0\]
を満たす。[1] ($ A\equiv \begin{bmatrix} 0 & 1 \\ 0 & -a \end{bmatrix}$ ,$ B\equiv  \binom{0}{K}$)
ただし、
\[P\equiv \begin{bmatrix}
X_1 & X_2\\
X_2 & X_3
\end{bmatrix}, X_1,X_2,X_3>0\]

これを解いていくと、
\[\begin{bmatrix}
-\frac{K^2X_2^2}{r}+1 & \frac{K^2X_2X_3}{r}-aX_2+X_1\\
\frac{K^2X_2X_3}{r}-aX_2+X_1 & -\frac{K^2X_3^2}{r}+2X_2-2aX_3+q
\end{bmatrix}=0\]

\[P = \frac{1}{K}\begin{bmatrix}
\sqrt{a^2r+2r^{\frac{1}{2}}+q} & \sqrt{r} \\
\sqrt{r} & -ar+ \sqrt{a^2r^2+2r^{\frac{3}{2}}+rq}
\end{bmatrix}\]
が求まる。

したがって、最適制御フィードバックゲインは
\[FB=-R^{-1}B^TP\\
=\begin{bmatrix}
-\frac{1}{\sqrt{r}} & a-\sqrt{a^2+\frac{2}{\sqrt{r}}+\frac{q}{r}}
\end{bmatrix}\]

このときPI制御のゲイン $ K_p, K_i $と比較すると以下のように一致する.
\[K_p = - a+\sqrt{a^2+\frac{2}{\sqrt{r}}+\frac{q}{r}}\]
\[K_i = \frac{1}{\sqrt{r}}\]

サーボ系で考える場合、目標の与え方によってI+P制御となったり、PI制御となったり違いが出ます.

1. 通常の状態フィードバック(I+P制御相当):
\[u=\begin{bmatrix}
K_i & K_p
\end{bmatrix}\left(\binom{r}{0}-\binom{z}{x}\right)\]



2. PI制御相当(のはず):
\[u=\begin{bmatrix}
K_i & K_p
\end{bmatrix}\left(\binom{r}{r}-\binom{z}{x}\right)\]

参考

[1]: Integral action in state feedback control - Prof. Alberto Bemporad
        http://cse.lab.imtlucca.it/~bemporad/teaching/ac/pdf/08-integral-action.pdf

[2] : 制御工学 (JSMEテキストシリーズ) など
         

連続系PID制御 : DCモータの速度制御

Posted on 1/04/2015
プラントをDCモータに限定して、電圧(PWMなど)で速度制御する場合を考えます.
今回は、PID制御とI+PD制御について伝達関数を求めます.

1. PID制御の場合

このシステムのブロック線図は、

記号LRKeJ
定義・単位電機子インダクタンス
[H]
電機子抵抗
[Ohm]
誘起電圧定数
[V/(rad/s)]

トルク定数
[Nm/A]

※ 両者等しい 
モータ軸イナーシャ
[kg m^2]

これを等価変換すると、バネマスダンパ系にPID制御を適用した場合と同等のシステムと考えられます.

この時の負荷トルクTd[Nm]および速度指令値ω*[rad/s]に対する応答は、

\[ \omega = \frac{K_e K_d s^2+K_e K_p s+K_e K_i}{LJs^3+(RJ+K_e K_d)s^2+(K_e^2+K_e K_p)s+K_e K_i}\omega^{*} - \frac{s}{LJs^3+(RJ+K_e K_d)s^2+(K_e^2+K_e K_p)s+K_e K_i} (Ls+R)Td \]


2. I+PD制御の場合

ブロック線図は、

これを同様に等価変換すると

この時の負荷トルクTd[Nm]および速度指令値ω*[rad/s]に対する応答は、

\[ \omega = \frac{K_e K_i}{LJs^3+(RJ+K_e K_d)s^2+(K_e^2+K_e K_p)s+K_e K_i}\omega^{*} - \frac{s}{LJs^3+(RJ+K_e K_d)s^2+(K_e^2+K_e K_p)s+K_e K_i}(Ls+R)Td \]

となります.

同じ$ K_p, K_d, K_i $のパラメータを使った場合で比較すると、
PID制御と比較してI+PD制御は
  ・ 目標追従の面で少しおとなしい応答
  ・ 外乱に対しては同じ応答性を有する
といえそう.

その分、逆に、その分、$ K_p, K_d, K_i $をもう少し過激にチューニングして、
外乱に対する応答を良くする考え方もできるのではないだろうか?

I+PD制御という構成は状態フィードバック制御で良く使われる考えだと思います.
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